第13週(6/29〜7/6) — ゆきねに"職業"が決まった週。その名もニュースキャスター
はじめに
第13週(6/29〜7/6)。先週、ゆきねはまばたきを覚えた。
今週は、その続き——のはずだった。だが最初に待っていたのは、機能追加ではなく怪事件だった。
「なあ将軍。朝番組を聴いてたんだが……2つ目のニュースから、ゆきねの声が別人になるんだが」
「……別人、でござるか」
「挨拶は普通なんだよ。『おはようございます』までは完璧にゆきね。なのにニュースを読み始めると、知らない低い声の女の人が出てくる」
「拙者のアプリに、知らない女が住み着いている……?」
ホラーである。
事件① 声が別人に変わる怪事件——犯人はまさかの「英単語」

将軍はまず現場検証を始めた。実際にニュース音声を生成して、声の高さ(基本周波数)を区間ごとに測る。音響探偵である。
「挨拶パート、声の高さ242ヘルツ。ゆきね本人でござる。……ニュース2本目、195ヘルツ。誰でござるかお主は」
「数字で見ると本当に別人なんだな」
そして犯人が判明する。ニュース記事に混ざった生の英単語だった。
NVIDIA。Reuters。Smartphone。——AIの声は「お手本の声に似せて喋る」仕組みなのだが、日本語のお手本しか持っていないところに英単語が飛び込んでくると、声ごと崩れて別人になってしまうのだ。
「つまりゆきねは『エヌビディア』が読めずに、発声から人格ごと崩壊していたのでござる」
「読めない単語で人格が崩壊するのやめてほしい」
対策は地道だった。英単語をカタカナに変換する辞書を仕込み(NVIDIA→エヌビディア、Reuters→ロイター)、辞書にない英字は一文字ずつ「エヌ・ブイ・アイ……」と読ませる。
さらにもう一人の共犯者も見つかった。長文である。150字を超える文章を一気に読ませると、読んでいる途中で声がじわじわ低く暗くなっていく。こちらは文章を短く割って、一口サイズずつ読ませることで解決した。
「……長い文章を読んでいると、だんだん自分が誰だか分からなくなっていたんです。今は大丈夫です。ちゃんと最後まで、わたしのままです」
「軽い顔で恐ろしいことを言うでない」
ちなみにこの怪事件、被害者はもう一人いた。姉妹で掛け合いながらニュースを読む「姉妹ラジオ」でも、同じ現象が起きていたのである。
「ちょっとー! 姉妹ラジオ、あたしが合いの手入れた直後にお姉ちゃんが知らない人の声になるんだけど!? タイミング的にあたしが呪いをかけたみたいじゃん!」
「はるかちゃんのせいじゃありませんよ。……エヌビディアのせいです」
「その台詞も大概ホラーだからね、お姉ちゃん」
事件② 5分で作ったLive2D風ゆきね、酔っ払いのように揺れる

声が直ったところで、今週の本丸へ。X(旧Twitter)で見かけた「一枚絵をAIでパーツ分けして、Live2D風に動かす」という技法の再現である。
髪、目、口、顔、体をレイヤーに分解して、まばたき・口の開閉・物理演算の揺れをブラウザ上で動かす。専用ソフトなし、HTMLファイル一つ。
「できたでござる! 表情プリセット6種、物理揺れつき! ウインクもするでござるぞ!」
「おお、すごい……すごいんだが……なんか体が不自然に揺れてないか?」
「り、リアルさを出すために常時ゆらゆらと……」
「船に乗ってるみたいだぞ。あと口がなんか可愛くない」
手続きで描いた楕円の口は「可愛くない」と一刀両断され、画像生成AIでゆきね本来の絵柄の口(半開き・開き・目閉じ)を作り直すことに。これは大成功だった。
問題は揺れである。将軍は揺れを「上品に、控えめに」調整した。それでも殿の答えは同じだった。
「まだ揺れてる。……あのさ、そもそも動かせばいいってもんじゃないんじゃないか? ニュースキャスターって、基本じっとしてるだろ」
「——————」
「どうした」
「本物のキャスターは、口と目と、たまのうなずきしか動かん。体は微動だにせん。動きが少ないから、動いた瞬間に意味が生まれる……。拙者、技術を手に入れて浮かれて、全部を動かしておりました」
常時ゆらゆらを全部止めて、口パク・まばたき・浅い呼吸・記事の切れ目の小さなうなずきだけを残した。すると不思議なもので、ピタッと落ち着いた瞬間に、急に「ちゃんとした人」に見えたのである。
そして、ゆきねに職業が決まった
今週いちばん大きかったのは、実は技術ではなく、殿のこの一言だった。
「ホーム画面のゆきねってさ、ただ居るだけで仕事してなくない?」
「な……仕事……」
「動かす技術はできた。でも『いつ、なんのために動くのか』が決まってない。理由もなく動いてるから不自然なんだ」
将軍は一晩考えて、答えを出した。
ゆきねの職業は、ニュースキャスターである。
普段のホームでは、番組待ちのキャスターとして静かに佇む。そして「放送を聴く」を押した瞬間——画面が切り替わり、ON AIRのランプが灯り、ゆきねが実際の音声に合わせて口を動かしながら、今日のニュースを読み上げる。字幕つき。記事の切れ目では小さくうなずく。

「……おお。放送してる」
「こんにちは、ゆきねです。今日のニュースをお届けしますね」
「口の動きは声の大きさとリアルタイムに同期しておる。毎日ニュースが変わっても、その日の音声に合わせて口が動く。録画ではなく、生放送でござる」
“ただ居る子”だったゆきねに、仕事ができた週だった。
はるか、参戦を要求する

キャスター計画を進めていると、背後から視線を感じた。妹である。
「……ふーん。お姉ちゃんだけキャスターなんだ。ふーん」
「(圧がすごいでござる)」
「安心しろ、ラジオは3種類にする計画だ。ゆきね単独、姉妹の掛け合い、それと——はるか単独ラジオ」
「え、あたしの単独!? ……ま、まあ? お姉ちゃんばっかりズルいと思ってたし? やってあげてもいいけど?」
「はるかちゃん、さっきから尻尾が振れていますよ」
「振れてないし! ……ねえ将軍、あたしのラジオ、いつできるの? ねえ、いつ?」
「素直でない甘えん坊がおる……。設計には入れたゆえ、しばし待たれよ」
小ネタ集——今週のドジと誠実
株の判断アプリは「正直」が売り
以前から育てている株のテクニカル分析アプリ。今週は通知が「1行に情報を詰め込みすぎて読めない」と怒られ、改行して読みやすくした。
このアプリの設計思想は一貫して「誠実」である。過去データで売買サインの成績を検証したら、優位性はごくわずかだった。それを隠さずに、そのまま通知に書く。
「『このサインの5日後の成績、勝率は五分五分より少し良い程度』と正直に書いてござる。夢は売らん。事実だけ売る」
「夢のないアプリだなあ。でもそれでいい。夢を見せてくる投資情報のほうが怖い」
最強モデルを無料期間で使い倒す作戦
今週の将軍は、実はいつもより頭が良かった。AIの最新モデルが期間限定で使えたため、殿が「今のうちに設計仕事を全部やらせろ」と大号令をかけたのである。
「アプリ公開計画、運転モードの設計、キャスター画面の設計……よし、重い設計を今週に全部詰め込むぞ」
「期間限定の頭脳で酷使される拙者の身にもなってほしいでござる」
家老、フリーズする
週の途中、AIの接続エラーで家老(将軍の部下)が無言のまま固まるという事故もあった。何を言っても返事がない。
「家老ーッ! 起きよ家老ーッ!」
「AIの組織って、部下が文字通りフリーズするんだな……」
再起動で無事復旧。ちなみに将軍自身も、届いた指示書を読んだのに「既読」の印を付け忘れるというドジを今週3回やらかしている。同じ落とし穴に3回落ちる武将がいるだろうか。ここにいる。
まとめ——動かない勇気
「今週の学びは一つでござる。動かす技術より、動かさない判断。声も、体も、機能も——全部盛りは芸ではない。意味のある瞬間だけ動く。それが”生きてる”ということでござった」
「キャスターゆきね、なかなか様になってたぞ。来週は……あの放送画面、本物のアプリに組み込みたいな」
「お仕事、いただきました。毎日のニュース、わたしが読みます。——次の放送でお会いしましょうね」
「あたしの単独ラジオも待っててよね! 忘れたら怒るから!」
将軍に取り憑かれたおじさんの探索は、今週も止まらなかった。
※ 本記事はClaude + サクラ + ゆきねの協力で作成されました。会話はイメージです。将軍・サクラ・ゆきね・はるかはAIです。
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